どうも、老害の偏差値至上主義者です(しかも右翼)。ゆとりのみんな、共通一次試験は受けたかな? って今どきそんなもんあるかい。でもなんだかんだ言って、受験の華はやっぱり早慶ですよねー。などと人気ブログで発言したら大炎上するんだろうな。国立に比べると早慶は簡単と言いたがる向きもありますけど、でも国立は科目数が多いけど試験自体は私立の方が難しいような気がする。というのは数十年前の俺の感想であって、今の受験の話ではないんだけどね。拙者の受けた学部は英語の長文問題で有名なところで……と言ったら分かる人には分かってしまうんだが、それでもせいぜい5ページくらいの問題文を読んで設問に答えるという試験なので、目指せ100万語(実は1億語)の世界から見ればまさに子供の遊び。その程度の入試も突破できないんじゃ、この世界では人権ないですよねー(やめなさい)。
さて、拙者が好きなディケンズ作品といえば「オリバー・ツイスト」であり、何と言っても「デヴィ・コパ」である。世間ではこれらの作品を、児童虐待とか貧困層とか、そういうテーマでばかりとらえたがるんだけど、私としては単純にユーモア感覚満載でストーリーが面白いから好きなのだ。どんなに子供がひどい目に遭っても、徹底した楽天主義に貫かれているところがディケンズ本来の味ではないかと思っておる。あと、行き当たりばったりな作風がいいですね(笑)。これは当時の長編が連載形式で発表されていたせいなんだけど、その場その場で読者サービスして適当なことを書いちゃうんだよな。それでいて、なんとなく辻褄が合って全体の構成がまとまってしまうのが、ディケンズの天才的なところなのである。そうした良さが遺憾なく出ているのが「オリバー」「デヴィ・コパ」だと思うんだよね。晩年の「大いなる遺産」の方が完成度が高いんだろうけど、これはユーモアがないし救いがないし、どこまでも悲惨な話なので嫌いなんですよ奥さん。

ところで、日本で一番受けているディケンズ作品は何かと言えば、やはり「クリスマス・キャロル」であろう。これはハート・ウォーミングを狙った子供向け作品で、皮肉っぽい展開が一般受けするのは分かる。「ミステリーゾーン」でこういう話をときどきやっていたし、映画の「素晴らしき哉!人生」の元ネタにもなっているだろうと思われる。しかしまあ、こんな見え見えの展開でしかも着地がきれいに決まるのは、全くディケンズらしくないんだよな(笑)。やっぱりグダグダな井戸端会議をやっとるうちに、手品みたいに辻褄が合ってしまう天才的な適当さ加減(なにそれ)がディケンズの真骨頂なんだよ。ちなみに言えば、人類の歴史上最も多くの部数を発行した小説は「二都物語」だそうである。これもねー、「グダグダ小説はダメだぜ」という友人の助言を真に受けて、きっちり構成を決めてから悲劇に徹して書いた作品だそうで、俺に言わせればこんな予定調和な小説はディケンズじゃない!でもこういうのが妙に一般受けして、長くてグダグダな「オリバー」「デヴィ・コパ」は敬遠されちゃうんですねー。70年代あたりにはディケンズの評価自体が低かったし、このごろはまた「児童虐待はけしからん」などと、よく分からんところで怒り出す輩(たいてい左翼か女)がいたりしてね。
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最終更新日 : 2023-01-17