どうも、おなじみの老害ブロガーです。この季節なんでどうしても受験の話題になってしまうんですが、拙者が受けた頃(数十年前)は受験生が今の倍ぐらい存在したので、とにかくカオスでしたねー。受験戦争という言葉が洒落にならないくらい、競争は厳しかったような気がします。かく言う拙者は国語・英語・社会(世界史)で受験する予定だったのだが、高3の時に受験科目が変更になり、国語が廃止されて小論文になっちゃった。国語...
どうも、おなじみの老害ブロガーです。この季節なんでどうしても受験の話題になってしまうんですが、拙者が受けた頃(数十年前)は受験生が今の倍ぐらい存在したので、とにかくカオスでしたねー。受験戦争という言葉が洒落にならないくらい、競争は厳しかったような気がします。かく言う拙者は国語・英語・社会(世界史)で受験する予定だったのだが、高3の時に受験科目が変更になり、国語が廃止されて小論文になっちゃった。国語は模試で全国上位に入るほどの得意科目だったんだけどね……。でも小論文の課題というのが、高校時代の私のバイブルみたいな書物だったので、結果的に大助かりだったんだけど。あと、受験会場で社会科の問題を見たら、世界史じゃなくてなぜか日本史だったので驚いた(笑)。申し込む時に間違えて記入したようで、結局、勉強したことのほとんどが役に立たないという、脱力の極みみたいな受験になってしまったのじゃー。
などといった話は単なる前振りなんですが(なげーよ)、今回の英語多読ネタはレイモンド・チャンドラー原作の「The Big Sleep」だっ。Oxfordのレベル4なんだけど、なんたってハードボイルド探偵ものなんで、スラングとか凝った言いまわしが頻出してかなり難しいと思う。っつーかよくこんな渋いものを収録したもんだと感心してしまいます。OxfordのGRの中でもひときわ異彩を放つ、切り札的な一作であろう。原文の邦訳題はもちろん「大いなる眠り」なんだけど、映画の方は「三つ数えろ!」でして、ハワード・ホークス監督の古典的傑作である。脚本を書いたのが、当ブログでときどき言及しているリー・ブラケット。拙者は女流作家というのは基本的に認めない差別主義者なんだが(差別じゃなくて女流はたいてい下手だから嫌いなだけ)、リー・ブラケットには一目置いているのだ。この人はなぜか男っぽく豪快な作風で、ハワード・ホークスも彼女をスカウトする時に「このブラケットとかぬかす野郎を引っぱってこい」と言ったとかとかなんとか。
ところで、レイモンド・チャンドラーの原文っていうのが、ストーリーの分かりにくい小説でしてね。いろんな事件と犯罪者が入り乱れたあげくに、死体が次々に転がっていくんですが、その映画化作品「三つ数えろ!」はさらに輪をかけて混沌としておる。撮影中に「運転手を殺したのは誰なんだ?」というのが問題になって、監督がチャンドラー本人に電報を打って尋ねたら、「俺が知るわけないだろう」という返事が返ってきたそうだ。フィリップ・マーロウはもともと大柄でハンサムという設定らしいのだが、ハンフリー・ボガートはどっちかと言えば小柄で渋いおっさんである。むしろ「マルタの鷹」のサム・スペードと同一人物みたいな印象になっちゃったんだけど、今ではそれがマーロウのキャラとして定着しているようだ。

おそらくは「さらば愛しき女よ」のロバート・ミッチャムの方が原作に近いのであろう(でもミッチャムはちょっと太りすぎかもね)。拙者はシャーロット・ランプリングのファンなので、実は「三つ数えろ!」よりも「さらば愛しき女よ」の方を語りたくなってくるのじゃ。ところがねー、そのミッチャムが好評にお応えして、再度マーロウを演じた「大いなる眠り」という映画もあったのですよ諸君。これがまた豪華キャストを集めたオールスター映画で、普通に撮れば傑作になりそうだったんですが……。アメリカン・ハードボイルド小説なのに、なぜか舞台をイギリスに移すという暴挙に出てしまい、なにもかもぶち壊しになっちゃった(笑)。というわけで、フィリップ・マーロウといえば「ロング・グッドバイ」のエリオット・グールドが最高だよねー、という結論で異論はないですね(なんでそうなる)。
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