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2023-01-24 (Tue)

大いなる眠り The Big Sleep 運転手を殺したのは誰なんだ?

大いなる眠り The Big Sleep 運転手を殺したのは誰なんだ?

どうも、おなじみの老害ブロガーです。この季節なんでどうしても受験の話題になってしまうんですが、拙者が受けた頃(数十年前)は受験生が今の倍ぐらい存在したので、とにかくカオスでしたねー。受験戦争という言葉が洒落にならないくらい、競争は厳しかったような気がします。かく言う拙者は国語・英語・社会(世界史)で受験する予定だったのだが、高3の時に受験科目が変更になり、国語が廃止されて小論文になっちゃった。国語...

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どうも、おなじみの老害ブロガーです。この季節なんでどうしても受験の話題になってしまうんですが、拙者が受けた頃(数十年前)は受験生が今の倍ぐらい存在したので、とにかくカオスでしたねー。受験戦争という言葉が洒落にならないくらい、競争は厳しかったような気がします。かく言う拙者は国語・英語・社会(世界史)で受験する予定だったのだが、高3の時に受験科目が変更になり、国語が廃止されて小論文になっちゃった。国語は模試で全国上位に入るほどの得意科目だったんだけどね……。でも小論文の課題というのが、高校時代の私のバイブルみたいな書物だったので、結果的に大助かりだったんだけど。あと、受験会場で社会科の問題を見たら、世界史じゃなくてなぜか日本史だったので驚いた(笑)。申し込む時に間違えて記入したようで、結局、勉強したことのほとんどが役に立たないという、脱力の極みみたいな受験になってしまったのじゃー。


などといった話は単なる前振りなんですが(なげーよ)、今回の英語多読ネタはレイモンド・チャンドラー原作の「The Big Sleep」だっ。Oxfordのレベル4なんだけど、なんたってハードボイルド探偵ものなんで、スラングとか凝った言いまわしが頻出してかなり難しいと思う。っつーかよくこんな渋いものを収録したもんだと感心してしまいます。OxfordのGRの中でもひときわ異彩を放つ、切り札的な一作であろう。原文の邦訳題はもちろん「大いなる眠り」なんだけど、映画の方は「三つ数えろ!」でして、ハワード・ホークス監督の古典的傑作である。脚本を書いたのが、当ブログでときどき言及しているリー・ブラケット。拙者は女流作家というのは基本的に認めない差別主義者なんだが(差別じゃなくて女流はたいてい下手だから嫌いなだけ)、リー・ブラケットには一目置いているのだ。この人はなぜか男っぽく豪快な作風で、ハワード・ホークスも彼女をスカウトする時に「このブラケットとかぬかす野郎を引っぱってこい」と言ったとかとかなんとか。


ところで、レイモンド・チャンドラーの原文っていうのが、ストーリーの分かりにくい小説でしてね。いろんな事件と犯罪者が入り乱れたあげくに、死体が次々に転がっていくんですが、その映画化作品「三つ数えろ!」はさらに輪をかけて混沌としておる。撮影中に「運転手を殺したのは誰なんだ?」というのが問題になって、監督がチャンドラー本人に電報を打って尋ねたら、「俺が知るわけないだろう」という返事が返ってきたそうだ。フィリップ・マーロウはもともと大柄でハンサムという設定らしいのだが、ハンフリー・ボガートはどっちかと言えば小柄で渋いおっさんである。むしろ「マルタの鷹」のサム・スペードと同一人物みたいな印象になっちゃったんだけど、今ではそれがマーロウのキャラとして定着しているようだ。

the big sleep


おそらくは「さらば愛しき女よ」のロバート・ミッチャムの方が原作に近いのであろう(でもミッチャムはちょっと太りすぎかもね)。拙者はシャーロット・ランプリングのファンなので、実は「三つ数えろ!」よりも「さらば愛しき女よ」の方を語りたくなってくるのじゃ。ところがねー、そのミッチャムが好評にお応えして、再度マーロウを演じた「大いなる眠り」という映画もあったのですよ諸君。これがまた豪華キャストを集めたオールスター映画で、普通に撮れば傑作になりそうだったんですが……。アメリカン・ハードボイルド小説なのに、なぜか舞台をイギリスに移すという暴挙に出てしまい、なにもかもぶち壊しになっちゃった(笑)。というわけで、フィリップ・マーロウといえば「ロング・グッドバイ」のエリオット・グールドが最高だよねー、という結論で異論はないですね(なんでそうなる)。



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2023-01-17 (Tue)

クリスマス・キャロル 一番受けるけど一番ディケンズらしくない作品

クリスマス・キャロル 一番受けるけど一番ディケンズらしくない作品

どうも、老害の偏差値至上主義者です(しかも右翼)。ゆとりのみんな、共通一次試験は受けたかな? って今どきそんなもんあるかい。でもなんだかんだ言って、受験の華はやっぱり早慶ですよねー。などと人気ブログで発言したら大炎上するんだろうな。国立に比べると早慶は簡単と言いたがる向きもありますけど、でも国立は科目数が多いけど試験自体は私立の方が難しいような気がする。というのは数十年前の俺の感想であって、今の受...

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どうも、老害の偏差値至上主義者です(しかも右翼)。ゆとりのみんな、共通一次試験は受けたかな? って今どきそんなもんあるかい。でもなんだかんだ言って、受験の華はやっぱり早慶ですよねー。などと人気ブログで発言したら大炎上するんだろうな。国立に比べると早慶は簡単と言いたがる向きもありますけど、でも国立は科目数が多いけど試験自体は私立の方が難しいような気がする。というのは数十年前の俺の感想であって、今の受験の話ではないんだけどね。拙者の受けた学部は英語の長文問題で有名なところで……と言ったら分かる人には分かってしまうんだが、それでもせいぜい5ページくらいの問題文を読んで設問に答えるという試験なので、目指せ100万語(実は1億語)の世界から見ればまさに子供の遊び。その程度の入試も突破できないんじゃ、この世界では人権ないですよねー(やめなさい)。


さて、拙者が好きなディケンズ作品といえば「オリバー・ツイスト」であり、何と言っても「デヴィ・コパ」である。世間ではこれらの作品を、児童虐待とか貧困層とか、そういうテーマでばかりとらえたがるんだけど、私としては単純にユーモア感覚満載でストーリーが面白いから好きなのだ。どんなに子供がひどい目に遭っても、徹底した楽天主義に貫かれているところがディケンズ本来の味ではないかと思っておる。あと、行き当たりばったりな作風がいいですね(笑)。これは当時の長編が連載形式で発表されていたせいなんだけど、その場その場で読者サービスして適当なことを書いちゃうんだよな。それでいて、なんとなく辻褄が合って全体の構成がまとまってしまうのが、ディケンズの天才的なところなのである。そうした良さが遺憾なく出ているのが「オリバー」「デヴィ・コパ」だと思うんだよね。晩年の「大いなる遺産」の方が完成度が高いんだろうけど、これはユーモアがないし救いがないし、どこまでも悲惨な話なので嫌いなんですよ奥さん。

オリバー


ところで、日本で一番受けているディケンズ作品は何かと言えば、やはり「クリスマス・キャロル」であろう。これはハート・ウォーミングを狙った子供向け作品で、皮肉っぽい展開が一般受けするのは分かる。「ミステリーゾーン」でこういう話をときどきやっていたし、映画の「素晴らしき哉!人生」の元ネタにもなっているだろうと思われる。しかしまあ、こんな見え見えの展開でしかも着地がきれいに決まるのは、全くディケンズらしくないんだよな(笑)。やっぱりグダグダな井戸端会議をやっとるうちに、手品みたいに辻褄が合ってしまう天才的な適当さ加減(なにそれ)がディケンズの真骨頂なんだよ。ちなみに言えば、人類の歴史上最も多くの部数を発行した小説は「二都物語」だそうである。これもねー、「グダグダ小説はダメだぜ」という友人の助言を真に受けて、きっちり構成を決めてから悲劇に徹して書いた作品だそうで、俺に言わせればこんな予定調和な小説はディケンズじゃない!でもこういうのが妙に一般受けして、長くてグダグダな「オリバー」「デヴィ・コパ」は敬遠されちゃうんですねー。70年代あたりにはディケンズの評価自体が低かったし、このごろはまた「児童虐待はけしからん」などと、よく分からんところで怒り出す輩(たいてい左翼か女)がいたりしてね。


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2023-01-14 (Sat)

デイヴィッド・コパフィールド 受験だ、暗記だ、偏差値至上主義だ!

デイヴィッド・コパフィールド 受験だ、暗記だ、偏差値至上主義だ!

というわけで、おなじみの老害です。すっかり受験シーズンですねー、というか今日は共通一次試験(死語)の当日ではないか。といっても俺は早慶しか受験したことがない奇特な御仁なんですけどね。高校時代には早慶の入試のことしか考えてなくて、それ以外の大学が存在するという事実に気がついたのは、ここ数年のことである。なんだかんだ言って、拙者は偏差値至上主義者であり、受験とは所詮、暗記の千本ノックが全てだと思ってい...

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というわけで、おなじみの老害です。すっかり受験シーズンですねー、というか今日は共通一次試験(死語)の当日ではないか。といっても俺は早慶しか受験したことがない奇特な御仁なんですけどね。高校時代には早慶の入試のことしか考えてなくて、それ以外の大学が存在するという事実に気がついたのは、ここ数年のことである。なんだかんだ言って、拙者は偏差値至上主義者であり、受験とは所詮、暗記の千本ノックが全てだと思っている昭和人間、いわばゆとりの敵(笑)。ではなんで東大じゃなくて早慶かというと、中学時代にいじめに遭った後遺症で二流高校にしか行けず、そこでは受験対策なんかしてくれないので東大は物理的に無理だったんですよ旦那(数年かければ入れただろうけど)。学校でやってる補習も模試も完全に無視して、駿台や代ゼミの模試に個人参加して、手探りの独学で早慶レベルを目指したもんだから、ぶっちゃけキツかったです。でも実家では、地元国立大学に入れなかった男として低能扱いされているんだから笑ってしまいますねー(笑えねーよ)。


さて、そんなことはどうでもいいんですが、最近の当サイトの趣旨は目指せ100万語、ならぬ目指せ1億語。まあそれくらいを目標にしないと「デイヴィッド・コパフィールド」を縦横に味わうまでには至らないような気がします。まあ、こっちは学者じゃなくて無学者なので、学問的に読もうというガチ勢、ならぬミーハー勢ですから1000万語で十分なんだろうけど。しかしなに勢であろうとも、「デヴィ・コパ」が一番好きな小説であることは揺るぎない事実なのじゃー。最近ではいろんな新訳が出ているみたいですが、拙者としては中野好夫以外の訳文には興味がないのです(こういうところが老害)。それから、ジョージ・キューカーが監督した映画も好きなんですよ。日本では「孤児ダビド物語」という素敵な邦題で公開されましたが、アカデミー賞候補にもなった当時の超大作だ。しかし大長編を二時間に詰め込んだために、恐ろしいスピードで話が展開するのは「宝島」と同様、映画版のお約束だな。

デヴィコパ


そうこう言っとるうちにNew Kindleを購入したので、さっそく「デヴィ・コパ」の原文を読破といきたいところだが、今の拙者にはGRのレベル3が精一杯。偏差値70以上あって英語が得意だったという男が、外人の小学生レベルの読解力しかないんだから、この国の英語教育はどうなっているのかねー。などと自分でも逆に感心してしまいますが、そこは昭和人間の千本ノック方式だ。原文が読めないんならGRを読めばいいじゃない(マリー・アントワネットふうに)、ということで、PenguinとMacmillanの「デヴィ・コパ」を一気読みしたのでした。あと、Oxford版も手に入れたけど、これはちょっとレベルが高いのでまだ読んでない。前者二冊のうちではMacmillanが非常に良かったですね。日本の多読業界ではPenguin(現・Pearson)の人気が一番みたいなんですが、なんか文章が真面目すぎるというか冷たいところがあるように思います。総じて、MacmillanのGRには遊びや機知があって、個人的には最も読みやすいシリーズだと思うんですよねー。などと言っている間に10万語を突破したのですが、まだ全然進歩はありません(笑)。



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2023-01-04 (Wed)

秘密の花園 The Secret Garden 英語多読目指せ100万語……なのか?

秘密の花園 The Secret Garden 英語多読目指せ100万語……なのか?

というわけで、目指せ100万語!というのが英語多読における、いわゆるひとつのスローガンとなっておるわけです。しかし、100万語読んだからってどうにかなるわけではないんですよねー。かく言う俺にしても、高校時代からトータルしたら100万や200万は読んでおるんだが、相変わらず無学文盲のままだからね。まあ、英文を読むことに慣れるのは確かであるし、ペーパーバックを読むことに心理的抵抗がなくなるのは確かなんだけど。でも...

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というわけで、目指せ100万語!というのが英語多読における、いわゆるひとつのスローガンとなっておるわけです。しかし、100万語読んだからってどうにかなるわけではないんですよねー。かく言う俺にしても、高校時代からトータルしたら100万や200万は読んでおるんだが、相変わらず無学文盲のままだからね。まあ、英文を読むことに慣れるのは確かであるし、ペーパーバックを読むことに心理的抵抗がなくなるのは確かなんだけど。でも読書のスタートラインに立つためには、まずは1000万語が最低ラインなんじゃないかな。とはいえ、高校生で100万語くらい多読したら、学校でやってるリーダーとか試験問題の長文とかは、アホらしくてあくびが出るレベルになれるであろう。


さて、「宝島」に続いては、GR(graded readers)界隈で評判の高い「The Secret Garden」を読んでみた。今度は1ランク下がって、Oxfordのレベル3である。語彙で言えば前回が1400、今度は1000ということで簡単になったはずなんだが、逆に説明的な文章になって、ちょっと考えながら読むという変な現象が起きてしまった。拙者としてはレベル3よりもレベル4の方が何も考えずに読めるようである。ところで、「秘密の花園」といえば松田聖子であるが、拙者の高校時代の三年間は、まさに聖子の全盛期に重なっている。当時のことは聖子のヒット曲とともに思い出されるし、さらに言えばうちの近所に某教会があるのだが、そこは松田聖子と神田正輝が結婚式を挙げた教会なのである。普段は人通りもないほどの閑静な住宅地なのに、その当日にはマスコミ関係者が押しかけて塀に上るわ、ヘリコプターは飛び交うわで、そりゃーもう大騒ぎ。


秘密の花園


なんで松田聖子の話になっているのかよく分からんが、ともあれ聖子の「秘密の花園」は、エロチックな隠喩としてのタイトルであろう。名作の「The Secret Garden」の方は、健全な少年少女が登場する明朗なストーリーであって、子供の頃にいわれなきいじめを受けていた身としては、こういう理想主義的な絵空事は腹立ってくるのである。それは次に読んだ「Emil and the Detectives」にも言えることで、あれだけクソガキどもが集まったら、いじめの標的にされるのは俺なんだよなー、と考えてしまう。ケストナーでいえば「飛ぶ教室」のファンなのであるが、「エミール」の方はあまりにも健全すぎ、御都合主義すぎてしらけてしまう。と言いつつも、これまたpenguin(現・pearson)の大人気タイトルである。PGRのレベル3で、語彙数は1200だからそんなに難しいはずはないのだが、どういうわけか俺には読みにくかった。中途半端に現代ものなので単語に慣れてないせいもあるけど、penguinはGRの中でも比較的、複雑な文章を平気で使う傾向にあるようだ。


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2023-01-03 (Tue)

宝島 Treasure Island 2023年も英語多読やります

宝島 Treasure Island 2023年も英語多読やります

というわけで……も箱根駅伝もないのですが、スポーツといえばサッカーW杯は盛り上がりましたねー。とW杯を1秒も視聴してないし、V9巨人軍以外の話題に興味のない俺が言っても全く説得力がない。相変わらずにわかの蹴球ファンが湧いて出るのもお約束でして、そういえばこの前のメキシコ五輪で銅メダルを獲得した際には、日本で一瞬だけ蹴球ブームが起きたことは記憶に新しいところである。そんなことはどうでもいいんだが、当ブログ...

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というわけで……も箱根駅伝もないのですが、スポーツといえばサッカーW杯は盛り上がりましたねー。とW杯を1秒も視聴してないし、V9巨人軍以外の話題に興味のない俺が言っても全く説得力がない。相変わらずにわかの蹴球ファンが湧いて出るのもお約束でして、そういえばこの前のメキシコ五輪で銅メダルを獲得した際には、日本で一瞬だけ蹴球ブームが起きたことは記憶に新しいところである。そんなことはどうでもいいんだが、当ブログにおけるこのところの話題は英語多読である。っつーか拙者の中で多読がブームになったので、勢いで新しいkindleも購入してしまった。しかし、世間では「まず絵本を読め」「小説は読むな」などと言っておるのですが、既に老衰の高齢者である拙者に絵本はきついし、小説以外に何も読みたくない人間でもあることだし、誰の忠告も聞かずに好き勝手やることにしたので、そこんとこ夜露死苦(古いなあ)。


んで、今回の多読プロジェクト(?)を始めるに当たって最初に読んだのが「Treasure Island」であった。Oxfordのレベル4である。まあ、これくらいの難しさ(簡単さ)ならスイスイ読めるんだなあ……と言いますか、レベル3だと平易に書こうとして逆に持って回った言いまわしになっており、却って読みにくいという妙な現象が起きている。それはともかく、このごろはあんまり流行らんようだが、拙者はもともと「宝島」のファンであって、1950年のディズニーによる実写映画を愛好しておる。長編を1時間半に収めるために恐ろしく速い展開になっているんだが、今回の簡略版を読みながら、強引なまでにスピーディーな映画版を思い出したのである。ストーリーの端折り方とか御都合主義ぶりとか、graded readersってのは、やはり子供向けのレベルなのであろう。知能レベルで言えばラノベに近いものがあるようだ。別にラノベを馬鹿にしているわけではないが(してるけど)、そういう俺も去年はラノベの依頼しか来なかったので、ラノベ的な本を多読するのも何かの縁かも知れない。いや、ラノベを馬鹿にしているわけではなくて。


宝島


ところで、「宝島」の子供向けの本なら手元にいろいろありまして、戦前から出ているやつだと講談社の文学全集版、作者は高垣眸。俺が持っているのは昭和25年発行の新しい本(どこが)ですが、これは児童文学の定番中の定番である。それから偕成社版は大佛次郎、少年少女講談社文庫版は阿部知二と、大物が続々登場するところなんか、やはり名作の貫禄といったところだろう。この中では、昭和40年代における学級文庫のスタンダードである少年少女講談社文庫(ふくろうの本)に思い入れが強いのである。このシリーズはイラストが妙におどろおどろしく、装丁が派手で活字も大きくて、子供向けの本の中でもビジュアル系という感じがして好きだった。新しいものでは岩波少年文庫版(これは全訳)の評判がいいようだが、この訳者は俺が大学で英語を習った先生ではないか。なんか終始叱られているみたいなので、このバージョンはスルーだ(こらこら)。


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